お店で使うそば(田舎そば)を東日本から送って貰っていたが、輸送費が高騰。
レシピや材料は一切伝えられないが、現物の麺を渡すので再現してもらえないだろうか?という依頼が、取引のある問屋さんからあった。
粉を取り寄せ最初の試作品をお店に持参。
お店で働くパートさんたちはすでに「違いが分からない」と驚いていたが、店長さんは「見た目はOK。味がまだ違う」とのことで、再度作り直すことに。
その試作も3回目でOKをいただけることになり、東日本にいる料理長に食べてみて貰い最終判断をして貰うことになった。普段東日本にいる料理長が広島に来るのは月に一度。それでも試作のそばは2回目でほぼOK。
「ほんのかすかな違いがある。もう少しどうにかしてほしい」というほとんど感覚の世界の修正を経て、3回目でOKをいただけることになった。
料理長の話では、広島で開店するときに広島の製麺屋に声をかけてみたものの、まったく同じ麺を作ってくれる会社には巡り会えず、当時は広島での麺の調達を断念したそうだ。
ちなみに現在もそのお店で、升萬食品が作った専用麺を使っていただいている。
「フランチャイズから独立してお好み焼屋を続けたいが、麺が変わることでお客さんが離れてしまうのでは…と思っている。同じ麺を作ってもらえないだろうか」…と取引のある問屋さん経由で相談が。
麺はFC本部から取り寄せしていたそうだ。
小麦粉はものすごく種類が多い。
小麦の品種、育った場所、小麦の製粉してある部分の違いなどから味の違いが出るのである。
提供されたサンプルの麺を調理し、焦げ具合・パリパリ感・もちもち感などを見て、その状態から、粉の配合を考えて試作品を作成することになる。
サンプルを受け取って約1週間のうちに、1回目の試作が完成。
さっそくお店のオーナーさんに普段使っている麺と同じように調理してもらうことに。
この【実際に調理してもらう】という過程が大事で、調理して既存の麺との違いを感じてもらい、感じた内容を伝えてもらうことによって、より精度の高い麺を作ることができるのだ。
ゆであがり方の違い、鉄板に載せたときの焦げ目のつき方…
実際にお店に行き、作ってみてもらいながら話を聞いて、同時に頭の中でどう改善したらいいかを考えて、次の試作につなげる。
試作のキャッチボールを何度かくり返し、出来上がった麺を今も使っていただいている。